クロー値研究所

*「クロー値研究所」商標登録申請中

クロー値研究所は着衣による保温で人の快適性を表す単位のひとつclo値(熱抵抗値=保温力)を分かり易い表示で可視化する仕組み作りを目指します。

1.「クロー値研究所」の業務

2.保温性試験の方法とデータの概要


1.「クロー値研究所」の業務

  • 研究者とclo値運用の共同研究をします。
  • 顧客企業から依頼された検体のclo値試験データを分析し、サーモグラフも併用して検体の保温力の評価とデザイン、構造のアドバイスをします。
  • 当社オリジナルブランド「快適クロー値」商品の開発をします。
協力体制
第三者機関
株式会社 ユニチカガーメンテック
研究者
複数人
大手販売者
複数社

clo値(クロー値)の概念

clo値(クロー値)とは着衣の熱抵抗値の単位で、衣服の保温力を数値化したものです。
別の表現では「着衣量による人の快適性の単位」とも言われています。

人が感じる快適性= 環境側要素 気温 ℃
湿度 %
風速 m/s
放射温度 ℃
人体側要素 着衣量 clo
代謝熱 Met(kw)
快適とは着衣量(保温力)で皮膚温度が33度に保たれた状態(一定条件の中で)をいう。
気温21℃、湿度50%以下、気流0.1m/sの環境で皮膚表面温度が33.0度の場合に人は快適性を感じ、その着衣量の熱抵抗値(保温力)を1.0clo (クロー値)としている。
例えば30℃の室内では0.0cloの着衣量、いわゆる裸、12℃の場合は2.0cloの着衣量が快適である。

人が快適と感じる要素の一つは、熱いもしくは冷たい物との遮断ではなく、断熱して保温することである。着衣量の加減で適切な保温をすると、ほぼ一定である体温を熱源としているために体にストレスがかかりにくく、人は快適と感じるのである。

clo値商品に積極的に携わる人への貢献

新国民運動「COOL CHOICE」の旗印のもと「クロー値研究所」はclo値を介し、快適性について三方よしの環境を作ります。

  • clo値の運用を積極的に研究する「研究者」
  • clo値の運用を積極的に取り入れる「メーカー及び販売者」
  • clo値の運用を積極的に利用する「消費者」
「研究者」
産学連携を強化してclo値のより有効な運用を目指すことで研究者へも貢献できると確信しています。
研究者の言葉です。
「現在はclo値は研究用の単位という状況なので、その便利さが一般社会に認められて、clo値が一般市場運用されるようになると、研究の速度も速くなる。さらに、大学でclo値を専攻した学生が専門家として社会に出ていくことが新しい雇用を作る」
「メーカー及び販売者」
clo値を分かりやすく保温力の数値で表示をして販売すると、消費者は自分のニーズに合った適切な保温力を持った衣服を選べます。
そしてclo値が周知の単位(例:紫外線遮蔽率(%))になるとマーケットに大きな変化が現れます。
商品の保温力の比較が表示を見て簡単にできるので、カタログコピーの作り方や、店舗での陳列の仕方が大きく変わり、欲しい商品を選びやすくなった消費者の消費行動が積極的になります。
保温商品だけでなく機能性衣料の売り方がよりデータ主義に移行すると、消費者が欲しいと感じる多くの機能性商品が開発され、販売者にとっては売り上げ拡大のきっかけとなります。
メーカー間の競争原理に従って、正確なデータによって裏付けされた、程度の良い商品が適正な価格で市場に出回り、機能性衣料の新しいジャンルが構築されて、販売者に大きな利益をもたらせます。

社会に対する効果

「消費者」
研究者(大学)と連携してclo値の可視化の研究と運用をすると、保温力が分かりやすい数値で表現できるようになり、店頭やカタログ上で商品の保温力の比較が簡単にできることで、消費者は目的にあった最適の保温力を一目で選べるようになります。

表示例(当社案・未確定)

商品 A
clo値 0.6clo
獲得保温量約5.4度
商品 B
clo値 0.4clo
獲得保温量約3.6度
「社会」
環境省が推進する、新国民運動「COOL CHOICE」の項目に「ウォームビズ」があり、暖房に頼らずに、「着ぶくれしない重ね着」と「保温性効果の高い衣料」で寒さ対策をすることを推奨しています。clo値を分かりやすくするために保温力(℃)で表現すると、消費者は適切な保温で快適性を得ることができ、これは環境庁のウオームビズのテーマに直結するので社会的な貢献にもなると考えます。
新国民運動「COOL CHOICE」 省エネと低炭素化で温暖化防止を狙った運動
環境省 2030年まで継続する新国民運動「COOL CHOICE」を開始します。

  • ウォームビズ
  • エコドライブ
  • あかり未来計画等
ウォームビズ 環境省が推進する冬季の地球温暖化対策の一つ。

  • 暖房時の室温を20℃で快適に過ごすライフスタイル
  • 暖房利用によるCO2を削減し、地球温暖化を防止しよう
  • 「衣」「食」「住」の工夫で、あたたかく過ごしましょう!
  • みんなで集まる、「ウォームシェア」

「クロー値研究所」が開発する商品

「クロー値研究所」が開発する商品はデータに裏付けされた保温機能の衣料で、そして「着る道具」と表現して市場で展開していきます。

ブランド名「快適クロー値」 「快適クロー値」は当社で商標登録済みです。

機能性衣料
機能性衣料は一般的に聞きなれた名称ではないので説明を加えます。

  • 衣類はデザインと構造と素材によって構成されている。
  • 消費者の衣料品に対する購買動機は、使用する「目的」「場所」「嗜好」「価格」で決定されている。
    また通販協会の調査によると「お得」「今すぐ」「体験」を望む消費者の声もある。
  • 上記の「目的」とは雨、風、紫外線、花粉等からの具体的な防御対策であり、
    さらに保温、冷却、通気や軽量化でより快適に過ごすためのポジティブな対策のことである。

そしてより快適に暮らすための対策として消費者の目的にあった機能を持つ衣料が必要とされ、それらは理論とデータに基づいて作られてい
ます。これが機能性衣料と呼ばれるものです。また機能性衣料の販売にとって知的所有権の有無は非常に大きい要素になります。

※保温力を肝とする機能性衣料「快適クロー値」商品

  • 新機能のキーワードは「着衣量=clo値(クロー値)=保温力=快適性」である。
  • 試験データのclo値を、分かりやすい表現に置き換えて、保温力を可視化させると、
    消費者は店頭やカタログ紙面で商品の性能比較がで簡単にできるようになり、
    適切な保温力で快適性を手に入れることができる。

clo値(クロー値)の可能性(運用)

例えば紫外線にはカット率何%、防水には耐水何mmという具体的な数値の単位があり、機能性衣料を作る過程で、生地やデザイン開発の重要な要素と目安になっています。その機能の効果は商品のタグやシールに単位で表記してあり、一般消費者には衆知の事実です。

例) 紫外線遮蔽率(%)99.9

そこで「上記の例」のようにclo値(クロー値)を衆知の単位にまで持ち上げて、一般市場で衣料の適正な保温力を示す有益な単位にしなければならないと考えました。

快適クロー値商品の性能表現の実験

今年よりさらに暖かい部屋着を作りたいと思い、さらにカタログ上で従来品との具体的な温かさの比較を表現したいという要望が販売会社からありましたので、先ず実験をしてみました。

スペック 生地 従来より細番手の糸を使用
デザイン 従来よりやや細めの仕上がり
構造 手首、足首を二重にする
重量 従来よりやや軽い

従来はサーモグラフで衣服の表面温度を撮影し、色の違いで温かさをカタログ上に表現していましたが、今回は暖かさを数値化した保温力で表そうと、ユニチカガーメンテックにclo値の計測を依頼しました。

試験結果

ユニチカの試験結果 当社の評価
clo値 差 (clo) 獲得保温力 (℃) 差 (℃) 獲得体感温度 (℃) 差 (℃)
旧型 1.02 約9.1+ 約4.6+
新型 1.25 +0.23 約11.2+ +2.1 約6.5+ +1.9
※獲得保温量
獲得保温量とは、重ね着による効果を省いた本体のみの保温量。当社独自の表現です。
※獲得体感温度
体感温度(SET)から人の周りの気温(OT)を引いた温度。当社独自の表現です。

試験結果のclo値を計算すると、新型は保温力が2.1度、体感温度も1.9度上昇していました。
このことから、旧型の部屋着を着て室温20℃で快適と感じた人なら、新型に着替えると室温18.0℃でも同等の快適さが得られるということがわかります。さらに部屋のエアコンの暖房を2度下げることで大きな省エネになります。
実際に部屋着を試作し始めると、clo値は従来品との比較をするのに非常に役立ちました。そして獲得保温量(温度)の違いが分かることは、消費者とっても有益なことだと思います。

※clo値から温度へ変換された数値は、当社のデータ計算により導き出されたものです。

2.保温性試験の方法とデータの概要

(1)素材の保温性能(サーモラボ法)
  • ① 固有clo値(clo)の提示 (素材のみの熱抵抗値=保温力)
  • ② Total clo値(clo)の提示 (固有clo値+素材表面の空気層の保温力を含めた実勢効果値)
  • ③ 保温率(%)の提示 (素材のみの保温率で、構造デザインの保温力の影響はない)
(2)製品の保温性能(サーマルマネキン法)
  • ① 製品各部位のclo値(clo)の提示
  • ② Total clo値(clo)の提示 (素材の固有clo値+構造デザインによる空気層のclo値 )

データ解析によるclo値の運用

(1)clo値(clo)を保温力(℃)に変換してできること
  • ① 製品着用時に快適に感じる気温の範囲を表示
    • ISO7730基準(PMV、PPDの適応範囲)
    • ASHRAE基準(SET温度範囲)
  • ② 製品着用時(快適温度の範囲で)の体感温度の表示
  • ③ 素材の獲得保温量(力)の表示(素材のみの保温力)
  • ④ 製品の獲得保温量(力)の表示(重ね着をした時に増える保温量)
  • ⑤ 製品着衣時の獲得体感温度の表示(体感温度から人の周りの気温を差し引いた温度)
(2)製品開発と保温商品販売のコンサルティング
  • ① 企画する保温製品にマッチした生地選択のアドバイス
  • ② clo値にサーモグラフを加えて製品の保温力を分析し、構造デザインのアドバイス
  • ③ 保温製品の見せ方と売り方のアドバイス
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